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グロテスクでありながら美しい美術史『残酷美術史: 西洋世界の裏面をよみとく』レビュー

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『残酷美術史: 西洋世界の裏面をよみとく』 著:池上 英洋 刊:筑摩書房

                      発売日:2014/12/10 ジャンル:美術 

                      国:日本

 

本書のテーマは西洋美術におけるこれら残酷な主題の歴史をとりあげ、その多様性と重層性を味わおうとするものだ。

 

こんな人にお勧め!

・西洋美術に興味があるが、どこから鑑賞すればいいのか、よく分からない人

ヨーロッパ史の暗黒面に興味がある人

 

内容

西洋には残酷美術の名画が数多くある。なぜこれほど凄惨な場面がくりかえし描かれてきたのか?そこに人間のどんな欲望と残虐性を読みとることができるのか?神話・聖書の怖いエピソードから、魔女狩り、子殺し、ペスト、拷問、処刑などの歴史上の事件まで、図版200点以上を収録。人間の裏面を抉り出す、衝撃の美術史。

 

レビュー

美術に興味があるけど、一体どこから鑑賞すればいいのか良く分からない…。そんな想いを抱いていた自分にとって、本書は渡りに舟でした。

本書は、ヨーロッパの後ろ暗い歴史にフォーカスをあて、その暗黒史をモチーフとした美術作品を紹介する造りになっています。本作の中で取り上げられている歴史部分は、比較的有名所が多いので、歴史に疎い人であっても分かり易く読み進める事が出来ると思います。

しかし題名通り、グロテスクな絵画が多く取り上げられているので、そういった描写が苦手な人は要注意です。といっても、美術作品なので露悪的なものは特にはありませんが。

本書の中で取り上げられている題材は、主に神話・聖書・拷問・処刑・魔女裁判・殺人・戦争・病・貧困等です。お世辞にも明るい内容とは言い難い題材ばかりですが、美術家達はそれらネガティブな題材を、いかに美的に描くか、苦心しながらも作品を作り出してきました。その試みには脱帽する事しか出来ません。我々現代人が大昔の歴史を知る事が出来るのも、彼等の存在あっての事でしょう。

という訳で、今回のレビューを終えます。この一冊読めば、大まかにではあるものの、ヨーロッパの歴史と美術、そしてその裏に込められた宗教的な意味まで知る事が出来ると思います。是非読んでみて下さい。