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私ウゴが、読んだ本と、たまに映画と音楽の紹介をします。

プロレタリア文学の代表作『蟹工船・党生活者』レビュー

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蟹工船・党生活者』 著:小林多喜二 刊:新潮社

           発売日:1953/6/30 ジャンル:文学 国:日本

 

——この一篇は、「殖民地に於ける資本主義侵入史」の一頁である。

 

こんな人にお勧め!

・社会に対してルサンチマンを抱えてる方

 

内容

海軍の保護のもとオホーツク海で操業する蟹工船は、乗員たちに過酷な労働を強いて暴利を貪っていた。“国策"の名によってすべての人権を剥奪された未組織労働者のストライキを扱い、帝国主義日本の一断面を抉る「蟹工船」。近代的軍需工場の計画的な争議を、地下生活者としての体験を通して描いた「党生活者」。29歳の若さで虐殺された著者の、日本プロレタリア文学を代表する名作2編。

 

映像化作品

1953年と2009年に二度映画化されているようです

 

レビュー

買った覚えが無いのに、何故か家にこの本があったので、今回読みました。

私は元々プロレタリア文学全般に対して、苦手意識を持っていたので(なんか堅苦しくて、真面目腐ったジャンル。というイメージしか持ってませんでした)はっきり言って大して期待もしていなかったのですが、意外と面白かったです。それも、文学的な面白さというより、一つの娯楽作を読んでる感覚で『蟹工船』を読む事が出来ました。なんというか、「カイジ」とか「闇金ウシジマくん」を読んでる感覚で読む事が出来たというか。喩えが適切なのかどうかは分かりませんが。

まあでも、読んでみて気分が良くなるような描写がある訳でもなく、現実の厳しさがありありと浮かんでくるような作品なので、かなり人を選ぶ作品である事は、どうしても否めない気がしますが。

先程、グーグル検索をして初めて知ったのですが、2009年に『蟹工船』が映画化している事からも分かるように、小林多喜二は近年、再評価されているようですね。それは社会が再び暗くなってきている事の証左なのでしょう。うーむ、テクノロジー小林多喜二が生きていた時代よりも、遥かに進歩している筈なのに、どうして未だに格差はなくならないどころか、どんどん拡大しているのでしょうか?そんな事を本作を読みながら、考えずにはいられませんでした。

もしかしたら、将来小林多喜二は、夏目漱石太宰治三島由紀夫川端康成大江健三郎村上春樹に並んで、いや、それ以上に日本を代表する作家として扱われる様になるのかもしれません。世の中がどんどん暗くなっていけば、それと比例して彼の評価も上がっていくと思います。それが喜んでいい事なのかどうかは分かりませんが。

という訳で、今回のレビューを終えます。100年くらい前に書かれた本であるにも関わらず、今もなお人々に読み継がれている名作です。是非読んでみて下さい。

 

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