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ダメ人間の美学『勝手に生きろ!』レビュー

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『勝手に生きろ!』 著:チャールズ ブコウスキー 訳:都甲 幸治 

          刊:河出書房新社 ジャンル:文学 国:アメリ

 

別に孤独を自慢してるわけじゃない。孤独に頼ってるだけだ。部屋の暗闇はおれにとって陽の光だった。おれはワインを飲んだ。

 

こんな人にお勧め!

・ハードボイルド作品が好きな方。または、そのジャンルの作品を読んでみたいと思ってる方

・ダメ人間が主人公の作品が好きな方

 

内容

一九四〇年代アメリカ。チナスキーは様々な職を転転としながら全米を放浪する。いつも初めはまじめに働こうとするが、過酷な労働と、嘘で塗り固められた社会に嫌気がさし、クビになったり自ら辞めたりの繰り返し。そんなつらい日常の中で唯一の救いは「書くこと」だった。投稿しては送り返される原稿を彼は毎日毎日書きつづける。嘘と戦うための二つの武器、ユーモアと酒で日々を乗り切りながら。ブコウスキー二〇代を綴った傑作。映画『酔いどれ詩人になるまえに』原作。

 

映像化作品

『酔いどれ詩人になるまえに』というタイトルで、2005年に何故かノルウェーで映画化されているようです。

 

レビュー

日本の居酒屋でくだを巻いている落伍者は、果てしなくみっともなく見えますが、何故アメリカのバーで酔いつぶれてるすれた男はカッコよく見えるのでしょうか…。多分映画かなにかから得たバイアスによるものだと思いますが…。なんだこの違い、理不尽過ぎる。

という訳で、ブコウスキーの作品です。私は彼の名前を知ってはいましたが、長い間読んでいませんでした。今回機会があって、初めて彼の作品を読んだのですが…いやー、とても面白かったです。

一般的にハードボイルド作品の主人公は、(特にハリウッド映画では)美化される傾向にありますが、本作の場合はそんな事にはなっていません。本作の主人公は、本当に正真正銘のダメ人間なのです。しかしどういう訳だか、その駄目さ加減に、読者は異常な魅力を感じてしまいます。どうしてなのでしょう?「魔法」としかいいようがありません。

あとがきにも書いてありましたが、ブコウスキーは本国アメリカよりも、ヨーロッパで絶大の人気を誇っていたそうです。特にドイツでは、彼が街を歩いているだけで、まるでロックスターの様な扱いをされたとか。それはきっと、彼がトラッシーな環境下で育ったアメリカ人にしか描き出せない美学を、誰よりも上手く書く事が出来たからなのでしょう。

という訳で、今回のレビューを終えます。男だったら多分、殆どの人が面白いと思える様な作品なのではないでしょうか?是非とも読んでみて下さい。もちろん、女性の方が読んでも(多分)面白いと思います。

 

勝手に生きろ! (河出文庫)

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酔いどれ詩人になるまえに [DVD]

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  • 発売日: 2008/02/27
  • メディア: DVD