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チャイナスタンダードの時代到来?『チャイナテック』レビュー

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『チャイナテック』 著:趙 瑋琳 刊:東洋経済新報社

          発売日:2021/1/22 ジャンル:中国情勢 国:日本

 

「一兵卒にも天下とりの大志あり」はナポレオンの名言ですが、中国ではこの語録を好み、今は雇われの身でもいずれ起業し社長になりたいと考える人が大勢います。

 

こんな人にお勧め!

・今日の中国情勢・中国初のテクノロジーに関心のある方

 

内容

世界規模で急速に進展する経済のデジタル化はすでに私たちの行動や生活、社会経済に大きな変化を与えています。デジタル技術の進展により、その変化は今後、より一層大きくなることは間違いありません。
本書はその変化の源となる可能性が高い、チャイナテックの実像を正しく理解していただくことを目的にしています。手放しの賞賛や感情的な批判を棄て、中国の姿を客観的に見ることが極めて重要だからです。
デジタル技術の社会実装で世界の先頭を走る中国の姿は、今後の日本社会の変化を予想する上でもとても参考になるはずです。本書は、刻一刻とダイナミックに変化する中国の姿を的確にとらえるヒントとなり、チャイナテックを理解する一助となっています。

 

レビュー

「爆買い」という言葉がちょっと前に流行りましたが、最近の中国経済は、日本人である我々が恐怖感を覚えてしまう程に、驚異的な発展を遂げています。十年くらい前には、「中国が日本のGDPを抜いて二位になった」というニュースが大体的に報じられましたが、最早そんな小さな問題ではなくなってきています。もしかしたら我々は、アメリカがGDP1位の座から転落し、中国が世界の覇権を握る、その歴史的な時代の変換点を、近いうちに真の辺りにするかもしれません。

もしそうなったら、世界はどうなってしまうのか…?そういう問いに関しては、本書は答えてくれません。本書はあくまで、「現在」の中国情勢、または中国が開発しているテクノロジーについて論じている本です。

また、仕方ないといえば仕方ないのかもしれませんが、著者の趙 瑋琳氏は中国人である為に、中国のめまぐるしい経済成長に対して、かなり好意的な書き方をしています。なので、中国の台頭に対して、あまり良いイメージを持っていない方にとっては、本書は読む価値の無い本かもしれません。

しかし、現在の中国情勢について、詳しく知りたいと思っている方にとっては、願ってもいない本です。本書から学べる事もきっと多いと思うので、そういう方には、是非本書を手に取って欲しいと思います。

個人的に面白いと思った箇所は、「走出去」戦略について論じている部分です。なんでも走出法戦略というのは、中国政府主導による、積極的に国外進出に乗り出そうとする試みらしいです。また、将来的には、これまでの「とにかく大量生産しまくって、安い製品を売りまくる」みたいな戦略を変えて、品質の高い商品の開発を行えるようにしたいと、中国政府は考えているらしいです。もしそうなったら、日本の立場は完全になくなってしまうような気がするのですが…。日本人からしてみると、大変恐ろしい話しであります。

という訳で、今回のレビューを終えます。日本人はアメリカ発のイノベーション戦略に関する情報はありがたがって知ろうとしますが、中国発のものに関しては、懐疑的な視線を投げかける人が多い気がします。そのような姿勢は、今後改めていく必要があるのではないでしょうか。本書を読み終えた後、私はそう思わずにはいられませんでした。

 

チャイナテック―中国デジタル革命の衝撃

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