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日本を再興する方法『税金下げろ、規制をなくせ 日本経済復活の処方箋』レビュー

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『税金下げろ、規制をなくせ 日本経済復活の処方箋』 著:渡瀬裕哉 刊:光文社

                          発売日:2020/10/14

                                                                                            ジャンル:ビジネス 国:日本

 

なぜ、日本からグーグルやアマゾン、またはツイッターフェイスブックのような世界的な大企業が生まれないのか。また、いわゆる弱い産業とされている日本の農業は本当に弱いのか。今のいびつな教育は何とかならないのか。

それもこれも、すべて税や規制の問題です。

かつて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」ともてはやされた日本が、アメリカに突き抜かれるとともに中国に抜かされたのは、なぜなのか。この差は何なのか。

本書を読んでいただければ、その理由が明らかになることでしょう。

 

内容

一九八〇年代、日本は世界で最も勢いのある経済大国だった。しかし、九〇年代に入ってバブルが崩壊、経済は停滞して「失われた一〇年」と呼ばれた。その後も不況から脱出できず、もはや「失われた三〇年」になろうとしている。その原因は何か―。すべては「税金と規制」の問題に集約される。だが、日本は世界に先駆けて少子高齢化が進み、財政状況も悪化。社会保障費は増え、自然災害も毎年のように日本列島を襲う。であれば「増税はやむなし」なのか?上がる一方の税金と規制に苦しむ日本が打つべき手とは?俊英の政治アナリストが、私たちに刷り込まれた「洗脳」を解く。

 

レビュー

二十四・三%(昭和四五年度)→四十四・六%(令和二年度)

五・四%(同上)→一八・一%(同上)

この数字、それぞれ何を表しているのか分かりますか?

答えは、国民負担率と社会保障負担の推移です。一目見て分かるように、日本人が国に納める税金の額は、どんどん増えていっています。現代の若者は、重い税負担と社会保障負担で苦しんでおり、世代間の格差は大きくなっているのです。

本書はタイトル通り、税金を下げて規制を失くす事の必要性について述べている本です。そのような取り組みを行いさえすれば、日本が再び経済復興を遂げる事も、決して不可能ではないと、著者の渡瀬氏は言います。

本書は、税金や、数多ある意義が分からない意味不明の規制に不満を覚えている方にとっては、必読の書だと思います。本書には今日の日本(というより、日本政府)の政策の頓珍漢さと、その改善策が、とても分かり易く書かれています。また、政治に対してシニカルな心境を持っている方にとっても、是非とも読んでほしい本です。きっと本書を読めば、希望を持てるようになる筈ですから。

しかし、具体的にどうやって、我々国民は政治に干渉出来るようになるのでしょうか?この問いにも、渡瀬氏は答えています。渡瀬氏は、減税や規制撤廃派に、一〇%の得票数さえ入れば、政府はそれらの政策を行わざるを得なくなるといいます。一〇%ときくと、大した事なさそうに思えてしまいますが、票数にすると一〇%は、五〇〇万~六〇〇万票です。これだけあれば十分なのです。

そして、日本には無党派層が大勢います。要は「どうせ自分が選挙に行っても何も変わらない」とか、「消去法で自民党に投票する」とか言っている人達ですね。この人達が結託すれば、日本の現状を変える事も、決して不可能ではないのです。

とまあこのように、本書には日本を変える方法が色々書かれいます。しかし、私は思うのですが、変化を積極的に望む層よりも、変化は怖いから、現状維持で良いみたいに思っている日本人の方が、割合として多く存在するのではないでしょうか?実際に統計をとった訳ではないのでなんとも言えませんが、大阪都構想の騒ぎを見ていると、どうしてもそう思えてならないのです。そういう人たちにいくら正論を述べても、考えを変えてはくれないと思うのですが…。その点についは本書は全く触れておらず、そこが唯一にして、本書の最大の問題点だと思います。

しかし、そのような瑕疵を踏まえてもなお、本書は読む価値のある本だと思います。是非一度読んでみて下さい。