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一風変わった銀行強盗映画『インサイド・マン』レビュー

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インサイド・マン』 監督:スパイク・リー 

           脚本:ラッセル・ゲワーツ アダム・エルバッカー

           公開:アメリカ2006年3月24日 日本2006年6月10日

           ジャンル:クライム

 

私は聖人じゃない。狙いは金。だが卑劣な行いはしたくない。”誇り”こそ最高の価値を持つものだ。

 

内容

デンゼル・ワシントンジョディ・フォスタークライヴ・オーウェンら演技派スター共演によるクライムサスペンス。『マルコムX』などの社会派問題作を手掛けるスパイク・リーが、新人脚本家のデビュー作を映画化。

 

レビュー

本作は、社会派の映画を撮影するのを得意とする、スパイク・リー氏が撮った作品です。本作のジャンルはクライム映画ですが、畑違いのジャンルを得意とする監督が撮った作品という事もあって、一風変わった作風の作品になっています。

まず大前提として、本作を鑑賞するにあたっては、なんとなくでもアメリカの現状…特に人種問題を知っておく必要があると思います。例えば、本作にはイスラム圏出身と思われる男性が登場して、「アメリカに来てからというもの、差別され続けている」みたいな台詞を言いますが、デンゼル・ワシントン演じる主人公の黒人刑事は、「差別されているといっても、タクシーは普通に乗れるだろ?」と言い返すシーンがあります。

これは、黒人がタクシーに乗ろうとすると、乗車拒否される事が多いアメリカの現状を皮肉ったブラックジョークであると思われますが、この事実を知っていないと、このシーンの意味は分からないでしょう。

他にも、とにかくこの映画、人種をネタにしたジョークがやたら頻出します。これは、本作を撮った監督のスパイク・リー氏が、黒人である事に由来しているためだと思われます。このような表現を面白いと思えるか思えないかで、大きく評価が変わってくる作品だと思います。面白いと思えないなら、きっと本作を真の意味では楽しめないと思います。というのも、少しネタバレになってしまいますが、本作の結末部分も、人種問題が大きく絡んでくるのです。また、人種問題に対して疎い方が本作を鑑賞しても、「大したアクションシーンもない、よく分からない凡庸な犯罪映画」みたいな感想を、本作に対して抱いてしまうものと思われます。

しかしながら、アメリカの社会問題に対して関心がある方にとっては、本作はとても楽しめる作品だと思います。私は外国が舞台の映画だと、たとえ内容がつまらなくとも、風景やその社会特有の風習のようなものが登場すれば、それだけで楽しめてしまう様な単純な人間なので、本作を楽しく鑑賞する事が出来ました。一見なんでもなさそうなシーンが、最後に一つに収斂し、見事なラストシーンを作り出していくその手法は本当にお見事でした。

また、単純に銀行強盗を題材として作品が好きという方にも、本作はお勧めできます。本作の敵キャラの目的は、当然というかなんというか、お金です。しかし、そのお金を手に入れる方法が、本作の場合かなり変わっているのです。その方法は…直接その眼でご覧になって下さい。

という訳で、今回のレビューを終えます。派手なアクションシーンはありませんが、その分良く練られた脚本が、本作の魅力になっています。是非鑑賞してみて下さい。

 

インサイド・マン (字幕版)

インサイド・マン (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video