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サブスクの王者の帝王学『NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX 』レビュー

えーっと、本の紹介をする前に、ご報告…というか、言い訳をさせて下さい。最近、リアルの方がちょっとどたばたとしてまして、もしかしたら今後(というかもう既にしてるけど…)本サイトの更新が滞ってしまうかもしれません。申し訳ありません。

それでは、本のレビューにいってみましょう。

 

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『NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX

著:リード・ヘイスティングス エリン・メイヤー 訳:土方 奈美 

出版社:日本経済新聞出版

発売日:2020/10/22 ジャンル:ビジネス 国:アメリ

 

私にはネットフリックス・カルチャー・デックは全体として、あまりにマッチョ的で、過度に対立を煽り、きわめて攻撃的なものに思えた。いかにも人間の本質を機械的かつ合理的にとらえるエンジニアが創った会社、というイメージだ。

それにもかかわらず、どうにも否定できない厳然たる事実がある。 p12・13より抜粋

 

内容

DVD郵送レンタルからスタートした会社は、動画配信サービス、コンテンツ自社制作、スタジオの内製化・グローバル化と、めまぐるしく「ビジネスモデルの破壊」を繰り返し、どうやって190カ国2億人という桁違いの会員数を持つに至ったのか?NETFLIXは特別な会社だ。そこには「脱ルール」のカルチャーがある。社員の「能力密度」を高めて最高のパフォーマンスを達成すること、そして社員にコントロール(規則)ではなくコンテキスト(条件)を伝えることを最優先としている。そのおかげで着実に成長し、世界と社員のニーズ変化に機敏に対応できている。だが、本書共著者で、企業文化の研究で名高い経営学者エリン・メイヤーの目には、NETFLIXカルチャーはマッチョで、対立を煽り、攻撃的なものに思えた。いかにも人間の本質を機械的かつ合理的にとらえる技術者が創った会社、というイメージだ。だが、NETFLIXは大成功している。本書がその謎を解き明かす。

 

レビュー

皆様は、ネットフリックスを利用していますか?私は契約したり契約解除したりを繰り返しているので、恒常的に利用している訳では無いのですが、便利ですよね。

本書は、何故ネットフリックスがこれほどまでの地位を築けたのかを、淡々と説明している本であります。本書を読めば、いかにネットフリックスという会社がとても柔軟な組織で、変化を怖れず、多様性を尊重しているのかを、深く知る事が出来ます。本書を読めば、きっとネットフリックスが勝ち続ける理由を知る事が出来ると思います。

特に、本書ではネットフリックスが持つ意外な一面を、大きくクローズアップしています。それは、従業員をがんじがらめに拘束しないという点です。

私はネットフリックス…というより、革新的なサービスを世に送り続けるネットビジネス関係の仕事に対して、「給料は良いが、相当な激務」というイメージを持っていました。しかし、少なくともネットフリックスはそうではないようです。

たとえば、長期休暇です。ネットフリックスは、従業員に長期休暇をとる事を推奨しているようです。一般的に、従業員は長期休暇をとる事に対して、後ろめたい感情を感じてしまう事も多いですが(というか、アメリカ人でもそうなんですね…。てっきり、まったく気にしないでガンガン有給休暇をとるものだと思ってました)ネットフリックスの場合、上司が率先して休暇をとろうとするので、その部下も気兼ねなく長期休暇をとる事が出来ます。

また、ネットフリックスは真の意味で、多文化共生を目指しています。彼等は、アメリカの会社でありながら、世界各国の文化を尊重し、現地の従業員をアメリカ式のルールで抑えつけようとはしません。

その一例として、本書では日本の支部(でいいのかな?)で、実際に起こった出来事が紹介されています。ネットフリックスでは、研修において、研修生にフィードバック(ようするに、あれが駄目で、これが良かったから、今度からはこれこれこういう事を改善して欲しい。と意見を求めるアレです)を求める事があるらしいのですが、ご存じの通り、我々日本人は、自分の意見を述べるのが大変苦手な民族。いきなりフィードバックを求められた日本人女性の研修生は、混乱して泣き出してしまったらしいです。

そこで、アメリカ人のマネージャーは、日本ではフィードバックの方法を、ガイドラインを用いたものに変えたらしいです。すると、日本人達は、そのやり方に対応して、最高の成果を出してくれるようになったらしいです。

このように、本書は実際に起こった出来事と、その出来事にどのようにネットフリックスは対応したのか、その方法が事細かに書かれています。本書は、きっと世にいる数多の社会人にとって、有益な本になってくれると思います。もちろん、学生が読んでも面白い本だと思います。

難点としては、ネットフリックスの今後の課題が書かれていない、という点です。本書では、徹頭徹尾ネットフリックスが行った方法論が賛美されているので、その部分に違和感を覚える方も、もしかしたらいらっしゃるかもしません。

しかしそれでもなお、本書が有益な本である事は、疑いようの無い事実だと思います。是非読んでみて下さい。