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崩壊する自我『es[エス]』レビュー

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『es[エス]』 監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル 

        脚本:ドン・ボーリンガー 

           クリストフ・ダルンスタット 

           マリオ・ジョルダーノ

        公開:ドイツ 2001年3月7日 日本 2002年6月22日

        ジャンル:サスペンス 国:ドイツ

 

内容

1971年、スタンフォード大学心理学部で実際に行われた実験を映画化。数々の映画賞を受賞したシチュエーションサイコムービー。無作為に“看守役”と“囚人役”に分けられ、監視カメラ付きの模擬刑務所に収容された24人が、驚愕の変貌を遂げる。

 

受賞歴

2001年度ヨーロッパ映画賞作品賞 ノミネート

 

リメイク作品

2010年に『エクスペリメント』という題名で、アメリカでリメイクされています。

 

レビュー

『お前が俺に浴びせる言葉は全て、俺を追い詰め崩壊へと導いて行く。一息つく為の余裕をくれ。だって、俺は追い詰められ、崩壊しかかってるんだから…』映画の冒頭で、リンキンパークというアメリカのバンドの『One Step Closer』という曲がかかります。この曲の歌詞が、本作のストーリーの伏線になっています。

本作『エス』は、1971年にアメリカのスタンフォード大学で、実際に行われたスタンフォード監獄実験という心理実験をモチーフに作成された映画です。ただし、物語の舞台は、映画が公開された当時のドイツに変更されています。

物語は、タクシー運転手兼記者である主人公が、ある新聞広告を目にしたところから始まります。その新聞広告には、こう書かれていました。

 被験者求む。

・拘束時間:2週間
・報酬:4000マルク
・応募資格:不問
・実施場所:大学内模擬刑務所

主人公は、この実験を盗撮して発表すれば、良い金になると踏んで、本実験に応募する事を決意します。そして、現地に集合して面接を受けた主人公と、主人公と同じ様に被験者になる事を望む男達は、それぞれ看守と囚人のグループに分けられ、独房へと移されます。

当初こそお遊び半分の気分だった男達ですが、次第に精神に変調をきたし始め…というのが本作のストーリーです。

この映画、すごく面白いです。私は一年か二年くらい前に、心理学を教えている教授に本作をお勧めされて、この映画の存在を知ったのですが、なにせ本作は20年近く前に発表された映画であり、しかも動画配信もされてなければ、近所のレンタルビデオ屋にも在庫が無かったので、長い間ずっと放置したままにしていました。見終わった今、なんでもっと早く本作を鑑賞しなかったのだろうと、後悔しました。鑑賞した後にそう思える作品とは、滅多に出会う事は出来ません。

しかし面白いと言っても、ハッピーな作風ではなく、ドイツ映画らしい心理的な恐怖や嫌悪感を覚えるシーンが続く映画なので、そういうのが苦手な人には本作をお勧めできません。密室内で物語が繰り広げられる映画(レザボア・ドッグスや、ソウ等)が好きな人や、元々心理学に興味がある人、ドイツ映画が好きな人に、本作をお勧めします。

 

es[エス] [DVD]

es[エス] [DVD]

  • 発売日: 2003/01/16
  • メディア: DVD
 

 

 

エクスペリメント (字幕版)

エクスペリメント (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video