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ホラーの帝王、スティーブ・キングの処女作! 『キャリー』レビュー

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キャリー 著:スティーブン・キング 訳:永井 淳 刊: 新潮社

     発売日:1985/1/29(オリジナル版は1974年4月5日)

     ジャンル:ホラー 国:アメリ

 

内容

「おまえは悪魔の申し子だよ」狂信的な母、スクールカーストの最下層…悲劇はその夜、訪れた。巨匠キングの鮮烈なるデビュー作にして、三度の映画化を経た永遠の名作。

 

映像化作品

1976年、2013年に映画化されています。世間的には1976年版の方が有名だと思います。でも個人的には2013年版の方が好きです。主人公のキャリーを演じているクロエ・グレース・モレッツがかわいいんです。

 

レビュー

恐らく実際に本は読んだ事が無い人であっても、スティーブン・キングの名前は聞いた事があると思います。彼の代表作は、『キャリー』の他には『スタンド・バイ・ミー』『ミザリー』『IT』『シャイニング』等があります。

本作『キャリー』は、数多の代表作を世に放った、キングの記念すべきデビュー作です。

作家の特性を知りたければ、そのデビュー作を読めばいいという話を以前どこかで聞いた事がありますが、キング程その言葉がぴったり当てはまる作家も珍しいと思います。

本作の内容は、キリスト教原理主義者の母親に育てられた主人公、キャリーが、超能力に目覚め、そして破滅していくというストーリーです。本作は390頁ありますが、怒涛の勢いで話が進行していくので、読んでいて全く退屈させません。

残酷なスクールカースト、頭のおかしい母親、超能力…「まるで神に愛されているとしか思えない様な…」というような文句を、小説の中では良く見る気がしますが、キャリーの場合「まるで神に嫌われてるとしか思えない」ような境遇に置かれています。実際、キングはキャリーに対してどういう感情を抱いているのか、気になるところであります。殆どの作家は、多かれ少なかれデビュー作の主人公には愛着を持ってるものだと思いますが、なにせ本作の作者はあのスティーブン・キングですし…(笑)もしかしたら、キャリーに対してそれほど思い入れをもっていないのかもしれません。それとも、あの苛烈な仕打ちは、キング流の愛情表現なのでしょうか?だとしたら恐ろし過ぎます(笑)

キングの作品には、どの作品にも根底に、現実の厳しさ、社会に対する憤りが存在していると思います。世間には怨嗟の声が溢れていますが、何故神は、彼等を助けようとしないのか?いや、それとも神など存在しないのか?最終的に提示される結論は、作品毎に異なっていますが、彼の作品の主人公達は、そんな残酷な世間と真っ向から立ち向かう運命を課せられています。

本作の主人公であるキャリーは、どこにでもいる、思春期の女の子でした。彼女にとって、作品を創造した神であるキングが課した試練は、あまりにも巨大なものでした。彼女はその試練を受け止めきれず、そして破滅していきます。

本作の内容は暗く、苦しい物ですが、キャリーが一気に破滅していってくれるので、意外と不快感はない…というより、読了後には、形容しがたい黒いカタルシスを感じる事が出来ます。このような読書体験が出来る本は、中々存在しないと思うので、是非一度、本作を読んでみてください。

 

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