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近未来を予言してみせた、SF小説の金字塔 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか? 』レビュー

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アンドロイドは電気羊の夢を見るか? 

著:フィリップ・K・ディック 翻訳:浅倉久志 刊:早川書房

発売日:1977/3/1(オリジナル版は1968年) ジャンル:SF 国:アメリ

 

内容

第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では生きた動物を持っているかどうかが地位の象徴になっていた。人工の電気羊しかもっていないリックは、本物の動物を手に入れるため、火星から逃亡してきた〈奴隷〉アンドロイド8人の首にかけられた莫大な懸賞金を狙って、決死の狩りをはじめた! 現代SFの旗手ディックが、斬新な着想と華麗な筆致をもちいて描きあげためくるめく白昼夢の世界!
リドリー・スコット監督の名作映画『ブレードランナー』原作。
35年の年を経て描かれる正統続篇『ブレードランナー2049』キャラクター原案。

 

受賞歴

1968年:ネビュラ賞ノミネート

1998年:ローカス賞

 

映像化作品

あの有名な映画、『ブレードランナー』は本作を原作としています。しかしその内容はかなり異なっている為、実質的には別作品らしいです。私は『ブレードランナー』を見た事が無いので、詳しい事は分かりませんが

 

レビュー

本作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか? 』は、言わずと知れたSF小説の金字塔です。私は以前から本作を読んでみたいと思っていたのですが、その反面、「大分昔に書かれたSF小説を今更見るのもなんかなぁ…」とも思っていたので、本作を購入したまま、ずっと放置していました。しかし本作を購入してから一年くらいたった今日、やっと読む決心がついたので、一気に読破しました。

本作の内容は、第三次世界大戦後の荒廃した未来で、生きた動物を飼う金を捻出する為に、主人公が懸賞金のついたアンドロイドを捜索するという内容です。

発表から五十年以上経過した作品に向かってこんな事を言ってもしょうがないですが、正直現代人の感覚で読むと、少々その内容はありふれている…というより、良くある話過ぎて、全く目新しい物を感じませんでした。最も、それだけ本作は、後世に多大な影響を与えているという事なのでしょうが。こればっかりはしょうがない気がします。

しかし、本作をSFでなく、現代社会を風刺したサタイアとして読むと、中々興味深いなと思いました。というのも、本作の世界観では、アンドロイドが普通に存在している反面、生きた動物や虫は貴重で、それらをペットにする事がステータスになっているのです。「なんだそりゃあ」という感じですが、現代には、実体の無いスマホのゲームに登場するアイテムを手に入れる為、とんでもない金額を投入する人がいます。いわゆる、廃課金ユーザー呼ばれる人達ですね。そういう人達は、ステータスの為に生きた動物を飼育する人と、やってる行動があまり大差ないと思うのです。

そもそも、我々現代人は、ステータスを得る為に商品を購入し、商品を購入する為に、好きでも無い仕事に従事しています。結局資本家の掌で踊らされてるに過ぎない訳ですが、多くの人間はその事実から目を背けています。現代人の殆どは、本作の主人公であるリックの事を馬鹿にする事は出来ないと思います。

そして、もし科学技術が今以上に発達して、アンドロイドが登場するようになると(というより、数十年後にはもう登場しているような気がしますが)人間とアンドロイドの境界線をどうやって見分けるか、どこで判断するかが、大きな問題になってくると思います。そういう時代が到来するようになると、本作も再び注目されるようになるのではないでしょうか。

命の値段…資本主義の限界…有機質と無機質の境界線…そういった、誰も答えを出せない小難しいテーマに、真っ向から見据えて描き出されたのが本作だと思います。

という訳で、今回のレビューを終えます。正直私は、あまり本作を面白いとは思えませんでしたが…ただ、本作は色んな創作物に影響を与えている事は確かだと思うので、過去の時代に作られた遺産を見つめ直す意味でも、是非一度本作を鑑賞してみて下さい。

 

 

 

ブレードランナー ファイナル・カット(字幕版)

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  • 発売日: 2015/03/15
  • メディア: Prime Video
 

 

 

ブレードランナー 2049 (字幕版)

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  • 発売日: 2018/01/31
  • メディア: Prime Video