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岡本太郎の生き様、爆発! 『孤独がきみを強くする』レビュー

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孤独がきみを強くする 岡本太郎著 興陽館刊

発売日:2016/11/29 ジャンル:芸術論 国:日本

 

内容

たったひとりの君に贈る、岡本太郎の生き方。孤独はただの寂しさじゃない。人間が強烈に生きるバネだ。孤独だからこそ、全人類と結びつき、宇宙に向かってひらいていく。群れるな。孤独を選べ。

 

レビュー

本書は、「太陽の塔」を作成し、「芸術は爆発だ!」という名言でおなじみの岡本太郎の著作です。

私が彼の本を読んだのは、今回で二度目です。一度目は、『自分の中に毒を持て』という本を読ませてもらいました。その本もすごく面白かったですが、個人的には本著作の方が面白かったです。歯切れの良い弁舌で、安全策を選び、ぬくぬくと温い日常をおくる「常識人間」を鋭く批判し、情熱的な生きた言葉を次々と読者に対して浴びせてきます。

タイトルからも分かるように、岡本太郎氏は孤独を愛します。そして、周りに流される事を心底嫌い、常識人間を軽蔑しています。氏が敬愛していた画家、パブロ・ピカソも「深い孤独がなければ、まともな作品は作れない」という格言を残しています。

現代人にはバイタリティが不足しているというような事がよく叫ばれますが、岡本太郎氏は非常にバイタリティに満ち溢れた人物であったのが、本著作を読めばよーく分かります。これは個人的な考察ですが、氏は芸術家になろうとしてなったのではなく、芸術家になるしか道は無かったのではないでしょうか。これほどまでに生命力に溢れている人は、とても決められたレールの上を歩けはしないでしょう。

私が本著作の中で一番気に入った箇所は、氏が成人式の無意味さについて、痛烈に批判している記述です。氏は、あれは成人式ではなく、老人式であると主張します。決められた社会システムに組み込まれる事を自ら宣言しているような成人式の、一体何がめでたいのか、氏には全く理解出来なかったのでしょう。

私自身、「なにが面白いんだあんなもの」と思って、成人式には出席しなかったので、深く岡本太郎氏の考えに賛同します。ちなみに氏は、記念日そのものを唾棄すべきものとして捉えているようです。またまた私も「日本人は盆と正月だけ祝ってりゃいい」と思っている様な捻くれた人間なので(笑)これまた氏に深く共感しました。

岡本太郎氏が生きた時代は、戦前と日本が奇跡的な経済復興を果たし、「一億総中流」というスローガンがやたら囃された時代ですが、もし彼が今も生きていて、今日の社会を観たらなんと言うのでしょうか。激高するのか、批判するのか、それとも意外と肯定するのか。我々には知りようも無い事ですが、本著作を読み終わった後、私は思わず考えずにはいられませんでした。

という訳で、今回のレビューを終えます。とても情熱的な本ですので、生きる事に倦いた人、打ちひしがれて絶望した人、エネルギーに満ち溢れた人…様々な人にお勧めしたい本です。是非読んでみて下さい。

 

孤独がきみを強くする

孤独がきみを強くする

  • 作者:岡本 太郎
  • 発売日: 2016/11/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)