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憂鬱なロンドンを舞台に繰り広げられる殺人事件 『魔の聖堂』レビュー

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魔の聖堂 ピーター・アクロイド著 矢野浩三郎訳 新潮社刊

発売日:1997/3/1(オリジナル版は1985年9月) ジャンル:ゴシックホラー 国:イギリス

 

受賞歴

ガーディアンフィクション賞

ホイットブレッドノベル賞

 

内容

ロンドンに今も残る、異様な様式の七つの教会で発生した連続殺人。捜査にあたるホークスムア警視正の前に立ちはだかるのは、十八世紀の建築師ニコラス・ダイアーが仕掛けた「謎」―過去と現在を二つの文体で往復しながら読者を迷路に誘い込み、イギリス読書界を慄然とさせた現代の「言葉の魔術師」ピーター・アクロイドの最高傑作。

 

レビュー

本作はデヴィッド・ボウイが選ぶ愛読書百選にも選ばれていた作品です。私は本作の作者であるピーター・アクロイドの事は知らなかったのですが、本国イギリスだとカルト的な人気を誇っている作家らしいです。

日本ではどうも既に絶版になっているみたいです。先程アマゾンを覗いてみたら、中古で八千円以上という恐ろしい価格がつけられていました。…まあ、機会があったら買って読んでみて下さい。

肝心の本作の内容は、七つの教会を巡って発生した奇怪な殺人事件に、ホークスムア警視が立ち向かっていくというもの。これだけ聞くと凡庸なミステリー作品に思われるかもしれませんが、とんでもない!本作を読んでいると、憂鬱なロンドンの景色がありありと目に浮かんできます。もっとも私は実際のロンドンに行った事はありませんが。

ダークで頽廃的で、邪悪なオカルティズムに彩られた本作には、他の作品には無い異様な迫力があります。デヴィッド・ボウイは本作を書いた作者である、ピーター・アクロイドのファンだったらしいですが、それも頷けます。本作の作風は、正にデヴィッド・ボウイが好みそうな世界観そのものなのです。なのできっとデヴィッド・ボウイのファンの方は楽しく読めると思います。

しかし敢えてケチをつけるならば、本作はミステリー作品では本来禁じ手である筈の超自然的な力が働くので、生粋のミステリーファンの方が読んでも楽しめないと思います。どちらかというと、ゴシック・ホラーが好きな方が読んだ方が楽しめるかも。また、血がドバドバ流れたり、やたらサディスティックな描写がある訳でも無いので、B級ホラーテイストの作品が好きな方も楽しめないと思います。という訳で、かなり人を選ぶ作品だと思います。その癖上述した通り、値段がとんでもない事になっているので、今から購入するのはちょっとしたギャンブルになってしまうかも。

それでも読みたい!と強く思った方は購入して読んでみて下さい。楽しめなくても、恨まないで下さいね(笑)

 

魔の聖堂

魔の聖堂