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人気海外ドラマの法則21 どうして毎晩見続けてしまうのか? レビュー

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ニール・ランド著 シカ・マッケンジー訳 フィルムアート社刊 

発売日: 2015/11/27 ジャンル:演劇 国:アメリ

 

内容

ランキング上位の常連作、エミー賞・ピーボディ賞・全米脚本家組合賞受賞作…、「ヒットし続けるコンテンツ」の作り方。監督、プロデューサー、脚本家のインタビューを掲載。「創作の秘密」と「魅力」がわかる決定版!!

 

レビュー

私は現在、海外ドラマを見るのにはまっております。現在『ウォーキング・デッド』を視聴中ですが、非常に面白い。なんでもっと早く見なかったのだろうと後悔してしまう程です。

しかし海外ドラマというのは曲者で、一度見始めると続きが気になって気になって仕方なくなってしまいます。以前『プリズン・ブレイク』にはまっていた時は、日常生活に支障が出るレベルにまでなっていました。とにかく続きが気になるので、連続して何話も見てしまうのです。結果夜更かしをし、次の日には眠い目をこすりながら学校の講義を受ける羽目に…。この中毒性、まるで麻薬です。

とはいっても、元々私は海外ドラマのファンという訳でもありませんでした。まだファン歴二年くらいなので、日が浅いのです。映画は元から大好きでしたが、勝手な偏見により、ドラマは映画よりもワンランク下にあるものだと思い込んでいました。「ドラマって、映画よりも安上がりに作ってるんだろうし、とにかく話数が多いから見るのが億劫だよ」こんな感じです。

まあしかし、そう思っていたのはどうも自分だけでは無いようです。本書籍によると、ドラマを製作している当のクリエイター側も、ドラマを映画よりもワンランク下に見ている人がいるとの事。「まるで映画みたいなクオリティー」なんて、褒めてるのか貶してるのかよく分からない宣伝文句を言ってくる製作者もいるらしいです。『ウォーキング・デッド』のショーランナー(製作総指揮)を担当したグレン・マザラさんは、この現状を憂いています。(ところでウォーキング・デッドに登場するキャラクターであるグレンは、彼の名前からとられたのでしょうか?)グレンさんは、今日ではドラマは映画よりもホットな映像媒体なのだと、自信を持って答えます。私もその意見に賛成です。正直最近の売れ筋の映画は、あまり面白いと思えるものは少ないような気がしますが、ドラマは見てみたいのが山のようにあります。

考察するに、恐らくこうなった原因としては、世の中の価値観が多様化している事が理由になっていると思います。映画は2時間、長くて3時間くらいしか尺がありませんから、どうしても善の主人公が悪者を倒して、美女と結ばれてそれでハッピーエンド!みたいな、単一の価値観が勝利を収める、みたいな感じのストーリーになりがちです。もちろんやろうと思えばいくらでもその王道ストーリーから外れる事は出来るでしょうが、映画は一つ作るだけでも莫大なコストがかかる事を考えると、現実的に難しいのでしょう。ヨーロッパでは今でも芸術映画がよく作られていますが、アメリカでは娯楽性のある映画が主戦力となっていますし。

反面、ドラマでは数多のキャラクターを登場させる事が出来ます。そして、それぞれのキャラクターが、それぞれの価値観で動く。登場するキャラクターの人種も様々です。現在アメリカではヒスパニック系が増えているので、ヒスパニック系のキャラクターを登場させると受けがいいらしいです。中には人種差別的な思想を持つキャラクターもいるし、男性よりも余程男らしい女性も登場させられます。

視聴者は数々のキャラクターの内から、お気に入りのキャラクターを選び出し、そのキャラクターに感情移入し、応援するようになる。そのキャラクターが幸せを手に入れば喜び、死んだりすると嘆き悲しむ。例えばホラー映画で人が死んだりしても、余程感受性が強い人以外は別になんとも思わないでしょうが、ドラマだと付き合っている時間が長くなってくる分、もし死んでしまった場合には、大きな喪失感に襲われるでしょう。お気に入りのキャラクターが死んでしまったから、もうドラマを見ない!なんていう人もいるらしいですから。

そんな今を輝く海外をドラマを作っている製作者側は、どのような点に力を注ぎ、どのような点に苦労を重ねたのか、本書籍にはその裏側が詳細に書かれています。クリエイターを目指す人には必須の書と言えるでしょう。勿論、海外ドラマのファンの方も、読んでみると面白いと思えると思います。是非読んでみて下さい。

 

 

人気海外ドラマの法則21—どうして毎晩見続けてしまうのか?

人気海外ドラマの法則21—どうして毎晩見続けてしまうのか?