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私ウゴが、読んだ本と、たまに映画と音楽の紹介をします。

地球に落ちて来た男 レビュー

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あらすじ

デヴィッド・ボウイのイメージを決定づけた主演映画『地球に落ちて来た男』(監督:ニコラス・ローグ)の原作小説!これを読まずして、あの作品も、そしてボウイも、語れない―。

 

映像化作品

御存知、デヴィッド・ボウイ主演、ニコラス・ローグ監督で映画化されています

 

レビュー

『地球に落ちて来た男』はデヴィッド・ボウイファンなら間違いなく知っている名作です。僕は先に映画を見て、その後原作を読みました。

この本のジャンルはSFになります。題名通り、水を求めて地球にやってきた宇宙人のお話です。しかしSF要素はあくまで一つのエッセンスに過ぎません。『宇宙人』というフィルターを通してみた、アメリカ社会の滑稽さ、そして故郷に帰れなくなってしまった男の、悲しみと苦悩を描くのに主軸が置かれています。ですので、SFが苦手な人も問題なく読んでいけると思います。逆に、本格的なSFを読みたい人は肩透かしを食らうかもしれません。

この本の主人公である宇宙人ニュートンは、平均的な地球人に比べると、とても虚弱です。どれくらい虚弱かと言うと、エレベーターに乗って、その気圧差にショックを受け、鼻血を出して気絶してしまうほどです。しかしその代わり、頭はとても良いです。正に映画版で役を演じたデヴィッド・ボウイのイメージそのものです。

そんな主人公が地球人の女性と同棲するようになり、発明家として地球に滞在する事になるのですが…上記に書いた通り、ニュートンは地球人と比べて、あまりにも繊細過ぎました。壊れたガラスの様な心を持つ彼は、野卑な地球人との価値観の相違に苦しめられます。

同胞を救うという崇高なる目的を持って、地球にやって来た筈の男が次第に破滅してゆく様は、痛々しくも美しいです。作者のウォルター・テヴィスは、地球外からやってきた男ニュートンを通して、読者にアメリカン・ドリームという幻想がいかに無意味なものなのかを訴えかけたかったのかもしれません。

 

地球に落ちて来た男

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